東京建築さんぽ 銀座・有楽町篇〜 東京交通会館/奥野ビル/中銀カプセルタワービル/有楽町ビル

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先日のブログで、東京でおすすめのモダン建築を紹介した。

東京モダン建築さんぽ  パレスサイドビルディング/日生劇場/羽根木の森

今回は、銀座〜有楽町エリアでおすすめの建築4つをご紹介したい。

目次

東京交通会館

私が16歳の時、アメリカへ夏季留学をするために初めてパスポートをつくりに母と訪れた記憶のある、懐かしいビルだ。ダイナミックなモザイク壁画のある中央の階段ホールや、屋上に乗ったUFOのような円盤がモダンな建物。この円盤は回転展望レストランで、床のみが回転する仕組みとなっており、今も現役なのだそう。

Tokyo Traffic Hall1

1965年に「東京ニューセンター」として竣工し、1992年の改装を経て、現在も多くのテナントが入居しにぎわいが衰えない有楽町の顔ともいえる建築物。地階から3階まで吹き抜けになっている螺旋階段は白とシルバー、ベージュに色が統一されていて、透明感を醸し出している。この螺旋階段は二重螺旋となっており、一つ下の階の人とは会えないというユニークなつくり。

Tokyo Traffic Hall2

地下には昭和のムード漂う飲食店が並び、その一つである純喫茶ローヤルへも訪れた。詳細は別の記事に書く予定なので、そちらもお楽しみに。

Tokyo Traffic Hall3

【東京交通会館 DATA】

住所:東京都千代田区有楽町2丁目10−1

アクセス:JR山手線・京浜東北線:有楽町駅(京橋口・中央口(銀座側)) 徒歩1分

奥野ビル

新しいビルが次々と建つ銀座の街で、今も昔も変わらない気品のある姿。モダンというより「レトロなビル」と呼ぶのがふさわしいだろうか。1932年に川本良一の設計によって「銀座アパートメント」として建築された集合住宅で、ヨーロッパの映画に出てきそうな雰囲気。かつては銀座界隈でも屈指の、高級アパートだったのだそう。外壁のスクラッチタイルが月日の流れを感じさせ、歴史を経たビルにしか出せない重厚感を醸し出す。左側が1932築の本館、右が1934年築の新館だ。両者はぱっと見は同じようでいて、窓の位置が少し違っている。

Okuno building

中に入ってみると、薄い青緑色の正方形のタイルがおしゃれ。いくつかの画廊やアンティークショップなどが入居している。RC造6階、地下1階建てで、このサイズ感も昭和初期らしくて良い。手動式のエレベーターは今ではとても珍しく、テンションが上がる人も多いのでは。針が動き、階数を知らせる仕組みだ。

【奥野ビル DATA】

住所:東京都中央区銀座1丁目9−8

アクセス:東京メトロ有楽町線「銀座一丁目」駅 10番出口より徒歩1分

中銀カプセルタワービル

汐留駅に近い銀座8丁目を歩いていると目に飛び込んでくる、近未来的な建物。建築家・黒川紀章の設計により、1972年に完成した分譲マンションだ。10㎡のユニットを工場で生産し、一つ一つのカプセルを140個組み合わせてつくったという。黒川紀章といえば、1960年代に菊竹清訓らと結成されたメタボリズムグループの一人。メタボリズムとは「新陳代謝」のこと。高度経済成長を背景に、社会的変化や人口の増大に合わせて有機的に成長する都市や建築を構想していた。そんな思想を元に、建築として具現化した、黒川紀章の初期の代表作だ。

 Nakagin Capsule Tower 1

円形の窓、ランダムな方向に取り付けられたカプセルの集合体は独創的で、空に向かって飛び立とうとするロケットのようにも見える。このビルが建築された当初は、近未来にはこんなかっこいいビルがいくつもできるのだろう、とワクワクした気持ちで見上げた人々も多かったことだろう。

残念ながら、老朽化により2022年4月に惜しまれながら解体されてしまった。建物の一部は保存し、美術館に展示される予定なのだそう。

 Nakagin Capsule Tower 2

【中銀カプセルタワービル DATA】

住所:東京都中央区銀座8丁目16−10

※現存しない建物。

有楽町ビル・新有楽町ビル

1966年築の有楽町ビルと、1967年築の新有楽町ビル。いずれも三菱地所による設計で、JR有楽町駅の西側に並び建っている。有楽町ビルの低層部には白大理石の縁取り、外壁には赤いカーテンウォールが使われている。建物の中に入るとまず目を引くのが、レトロな陶板タイルの壁面が美しいエントランス。階段の手すりはステンレス鏡面仕上げで、こちらはモダンだ。階段ホールからすぐのところに喫茶店「ストーン」がビル創建当時から変わらず営業を続けている。この喫茶店については、後日別の記事で書く予定なので、お楽しみに。

Yurakucho Building

新有楽町ビルは有楽町ビルのすぐ傍にあり、有楽町ビルよりも大きな建物。シックなブルーのタイルに、丸みを帯びた窓が特徴的だ。

New Yurakucho Building

半世紀の間、有楽町のシンボルだったビルだが、2023年に閉館予定だという。老朽化により、昭和のレトロなビルが次々と失われていくのは寂しい。レトロビルが好きな方は、閉館前に是非足を運んでみてほしい。

【有楽町ビル DATA】

住所:東京都千代田区有楽町1丁目10−1

アクセス:JR・東京メトロ有楽町線「有楽町駅」より徒歩1分

【新有楽町ビル DATA】

住所:東京都千代田区有楽町1丁目12-1

アクセス:JR・東京メトロ有楽町線「有楽町駅」より徒歩1分

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