弘前には、明治・大正時代の歴史的建造物が残っており、風情のある古い建物を見ながら散歩するだけでも楽しめます。
弘前の観光をする際には、レトロな建物巡りはいかがでしょうか。
日本基督教団弘前教会
弘前城公園の近くに、淡いパステルイエローの外壁に、左右対称の礼拝堂があります。
こちらは、日本基督教団弘前礼拝堂。
東北最古のプロテスタント教会として「弘前公会」の名で創設され、アメリカのメソジスト教会から派遣された英語教師J・イング氏の元で洗礼を受けた生徒が中心となり設立されました。
現在の礼拝堂は、1906(明治39)年に教会員だった桜庭駒五郎の設計・斎藤伊三郎の施工により3度目の礼拝堂として建てられたものです。
双塔式のフランス・ゴシック風木造建築で、このようなデザインの木造洋風建築は全国でも珍しいのだとか。
フランスのノートルダム寺院に、形がよく似ています。
建築材料には、青森県産のヒバが用いられており、ぬくもりを感じさせます。
礼拝堂は幅16メートル、奥行き22メートルと広いです。ちなみに、塔の高さは20メートルもあるのだそう。
説教台、聖餐台は天板部分に伝統工芸の津軽塗があしらわれていたり、聖餐台の上にある籠は津軽伝統工芸のあけび細工でつくられています。
西洋風の建物なのだけど、建築材料が地元のものだったり、祭具に津軽の伝統工芸が用いられていたりと、和洋折衷なのも特徴の一つ。
一階の奥は襖で仕切られており、二階には和室もあります。
現在も毎週日曜日に礼拝が行われ、祈りの場となっています。
普段は外観のみの見学ですが、職員さんがいらっしゃる場合は見学が可能です。宗教施設なので、ルールを守って静かに見学して下さいね。
【日本基督教団弘前礼拝堂 DATA】
住所:青森県弘前市元寺町48
アクセス:中央弘前駅出口から徒歩約11分・弘前駅出口から徒歩約19分
電話:0172-32-3971
開館時間:10:00~16:00
旧弘前市立図書館
日本基督教団弘前教会から徒歩すぐ、弘前公園に近くに、こちらも双塔をもつ歴史的建造物があります。
この旧弘前市立図書館は県重宝にも指定されており、明治39(1906)年に当時の東奥義塾の敷地内に建てられたものです。
昭和6(1931)年まで私立図書館として利用され、その後下宿などとして使われた後、平成2(1990)年に今の場所に移築・復元されました。
赤い屋根に緑の建具がノスタルジックな印象を受ける建物です。
設計・施工は弘前の棟梁・堀江佐吉(ほりえ さきち)が担当。
八角形のドームが可愛らしく、ルネサンス様式を基調としながらも、寺院建築に見られるような和風の意匠も取り入れられた、和洋折衷の建築物です。
3階は非公開ですが、1階と2階は見学することができます。
玄関部分は八角形のドームの部分で、ここから上が階段となっています。
1階には図書館・館長室・事務室・婦人閲覧室が、2階には普通閲覧室・特別閲覧室・評議室があります。
西洋建築に見られる上げ下げ窓。モスグリーンのサッシがアクセントとなっています。
見学の所要時間ですが、大体15〜20分くらいあれば見て回れると思います。
【旧弘前市立図書館 DATA】
住所:弘前市大字下白銀町2-1(追手門広場内)
開館時間:午前9時~午後5時
入館料:無料
アクセス:JR弘前駅より徒歩30分
弘南バス「駒越線」または「茂森新町線」市役所前下車・徒歩1分
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
旧東奥義塾外人教師館
旧弘前市立図書館のすぐ隣にある、アイボリー色の下見板張りの外壁がさわやかな印象の建物。
こちらは明治33(1990)年に建てられた、旧東奥義塾外人教師館(きゅうとうおうぎじゅくがいじんきょうしかん)。青森県重宝に指定されている建物です。
藩校だった稽古館(けいこかん)を母体とし、明治5(1870)年に県内で初めて創立された私学館が「東奥義塾」です。
メソジスト派宣教師ジョン・イングなど、同校に招かれた外国人宣教師が生活する住まいとして建てられたのがこちらの洋館。
グリーンの窓枠や、イギリス積み煉瓦の煙突がメルヘンな雰囲気を醸し出します。
館内には当時の生活を再現したインテリアや展示品が置かれ、明治の外国人の暮らしを垣間見ることができます。
1階には喫茶室「サロンドカフェアンジュ」があり、アップルパイなどのケーキ、りんごのシャーベットなどのスイーツ、りんごカレーライスやフランス御膳などのランチ・軽食が味わえます。
レトロ建築の中でスイーツやランチが味わえるのは、贅沢な体験ですよね。
【旧東奥義塾外人教師館 DATA】
住所:青森県弘前市下白銀町2−1
営業時間:9:00~18:00
(喫茶室は9:30~18:00、ラストオーダー17:30)
アクセス:JR弘前駅前弘南バス乗り場より、100円循環バス乗車(所要時間約15分)、市役所前公園入口下車
休館日:年末年始休館(臨時開館の場合あり)
弘前を訪れたら、弘前れんが倉庫美術館にも訪れてみて下さい↓