国際子ども図書館
東京藝術大学キャンパスと目と鼻の先にある国際子ども図書館は、大学院生の頃からお気に入りの場所だ。古い建物と新しい建築技術が融合していて、静かで厳かな雰囲気なのだけど、柔らかい自然光が降り注ぐせいだろうか。不思議と優しい気持ちになれる、心落ち着く空間だ。
明治39年に帝国図書館として建築され、文豪たちが足繁く通った建物。戦後は国立国会図書館に統合され、その分館として使われていた。建築家・安藤忠雄氏による改修により、国立初の児童書専門図書館として生まれ変わったのは2000年のこと。歴史的建造物の保存・再生が行われたレンガ棟と、2015年に竣工したアーチ棟に分かれている。私が大学院に通っていた頃はまだアーチ棟はなかったのだが、既存の建物と中庭を隔てて対面する新しい建物とうまく調和している。
私が特に好きなのは、やはりレンガ棟。円形の書棚と机が可愛らしい「こどものへや」の隣にはかつて貴賓室だったという「世界を知るへや」がある。世界中から集められた絵本の数々に目移りしてしまう。ずらりと並んだ絵本の表紙を眺めているだけでも、それぞれの国の文化や特徴が感じられ、ちょっとした世界旅行をしているような気分に。
建築好き・歴史好きなら、創設当時のまま残る美しい大階段も見逃せない。吹き抜けの天井には、100年以上前から大切に使われているシャンデリアが今も健在だ。上品な階段をゆっくりと登り降りしながら、明治の空気を肌で感じてみてほしい。
【国際子ども図書館 DATA】
住所:東京都台東区上野公園12−49
アクセス:JR上野駅公園口より徒歩10分
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東京国立博物館
1923年に関東大震災により被災したジョサイア・コンドル設計の旧本館。戦前は東京帝室博物館と呼ばれていたという。
1937年に渡辺仁と宮内庁内匠寮の設計により建てられた本館。昭和天皇の即位を記念し「日本趣味を基調とした東洋式」という条件で設計案を公募して建てられたものだ。
鉄筋コンクリート建築に瓦屋根で建てられ、東洋と西洋の要素がうまくミックスされている。
上の写真は片山東熊、高山幸次郎設計の表慶館。本館に隣接する別館で、ドーム屋根が青い空に映える。この日は別途チケットが必要な特別展が行われていたので中には入れなかった。
本館には日本の国宝や重要文化財などの美術品や歴史資料などが展示され、様々な企画展が開催されている。展示品だけでなく、2001年には重要文化財に指定された建物自体に見どころが沢山ある。
大理石や花崗岩で装飾されたエントランス。左右対称で堂々としている。ドラマ『半沢直樹』のロケ地としても有名だ。
踊り場の大きな扉や上の壁に埋め込まれた時計が華やかさを演出している。大階段の天井は格天井になっており、自然光が優しく降り注ぐ。
照明やステンドグラスはアール・デコの装飾が施されており、優雅な雰囲気を醸し出している。
【東京国立博物館 DATA】
住所:東京都台東区上野公園13−9
アクセス:JR上野駅公園口より徒歩10分
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
上野公園周辺を歩いていると歴史的建造物にたくさん出会える。国際子ども図書館のすぐ近くにある「京成電鉄旧博物館動物園駅駅舎」。かつて上野公園にあった、京成電鉄本線の駅で、東京国立博物館や東京藝術大学の最寄り駅だった。駅舎の設備の老朽化、利用者の減少により、1997年に営業休止。2004年に廃止となった。
2018年に旧博物館動物園駅は「東京都選定歴史的建造物」に選定。同年11月にリニューアルが行われ、現在は不定期にイベントなどで一部が公開されている。
東京国立博物館に移築された「旧因州池田屋敷表門」。もともとは丸の内大名小路の鳥取藩池田家(因州池田家)上屋敷にあったもので、現在は国の重要文化財に指定されている。土・日曜・祝日の10:00~16:00に開放されているので、次回はこの時間に上野を訪れたい。
東京の建築さんぽ 銀座・有楽町編 の記事も合わせてご覧下さい。
おまけ
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