都内のクラシックホテル/学士会館/山の上ホテル

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明治・大正にかけて創業した「クラシックホテル」は、宿泊するだけで非日常を味わうことができ、海外に気軽に行くことができないコロナ渦でもプチ海外旅行気分を味わうことができる。

西洋風の装飾が美しい歴史的建造物の中で、レトロなインテリアに囲まれて過ごす時間はきっと私たちの心を豊かにしてくれるはず。私がここ最近訪れた都内のクラシックホテルをご紹介させて頂きたい。

目次

学士会館

本の街で知られる神保町の東京大学発祥の地に建つ、日本最古の倶楽部建築。重厚な雰囲気の中にも、20世紀初頭のウィーンで起こった当時最先端のセセッションのデザインで、装飾が部分的に配されてモダンな印象だ。

外壁にスクラッチタイルが用いられた4階建ての旧館が佐野利器監修・高橋貞太郎設計により昭和3年に建築。左手後方にある5階建ての新館は藤村朗の設計によって1937年に増築されたもの。旧館正面玄関には半円アーチがあり、日ノ出石が用いられたキーストーンにはオリーブの装飾があしらわれている。

ドラマの撮影などでも使われている201号室は持ち送りにアカンサスの葉の装飾があるのが見どころの一つで、開館当時は宴会場だったのだそう。旧館1階の広間には100年以上前の柱時計が置かれ、今でも時を刻み続けている。

東京に実家のある私はなかなか都内のホテルに宿泊する機会はないのだけれど、コロナ禍なので今回はこちらに宿泊。もともとは学士会会員専用の社交施設だったが、現在は宿泊、飲食、婚礼など会員以外も利用可能だ。

天井の高いシングルルームは、ヨーロッパを旅した時に泊まったホテルを思い起こさせる。朝食は1階の「カフェ&ビアパブセブンズハウス」にて。店名は旧帝国七大学にちなんでいるという。和食か洋食を選択でき、1日目は和食、2日目は洋食を選んだ。雑穀米が食べられるヘルシーな和食が印象的だけれど、ふわふわしたオムレツの洋食も捨てがたい。飲み物はおかわりすることも出来、食後に頂いた紅茶は上品で本物の味だった。

【学士会館 DATA】

住所:東京都千代田区神田錦町3丁目28

アクセス:都営三田線/都営新宿線/東京メトロ半蔵門線「神保町」駅下車A9出口から徒歩1分

山の上ホテル

学生時代に通っていた画材屋さんや学習塾がある御茶ノ水は、駅に降り立つたびに地元に帰ってきたような懐かしさ、安心感を覚える。

そんな御茶ノ水の駿河台の坂道を少し登っていくと、開業以来「文化人のホテル」として広く知られる老舗のホテル、「山の上ホテル / HILLTOP HOTEL」がある。

その名前の通り、ホテルの形はまるで山のような形をしている。設計を担当したのはアメリカ人建築家で、日本に数多くの作品を遺したウィリアム・メレル・ヴォーリズの建築設計事務所。

このホテルには川端康成、三島由紀夫、遠藤周作、松本清張など名だたる文筆家たちが宿泊し、部屋でペンを走らせていたという。

hilltop hotel

この辺りのシンボル的存在であるアール・デコ調の建物は、2019年に元の建築物をもとに改装されたものだ。

もちろん部屋に宿泊するのもいいけれど、気軽にホテルの雰囲気を楽しみたい方におすすめなのが地下1階にあるカフェ「コーヒーパーラー ヒルトップ」だ。

格式の高い老舗ホテルなので一流の接客に明るく広いカフェで、優雅なひとときを過ごすことができる。

私はレトロなプリンアラモードと紅茶を。繊細で美しいのは見た目だけでなく、お味も。フルーツはみずみずしく、プリンは昔懐かしい、しっかりプリンに向き合っていることが感じられるお味。

バラのシャンデリアが可愛らしく、癒される空間。何か自分にご褒美をあげたい時にもぴったりのカフェだ。

【山の上ホテル DATA】

住所:東京都千代田区神田駿河台1-1

アクセス:JR中央線総武線 御茶ノ水駅下車徒歩4分

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