着物で旅する北海道/アルテピアッツァ美唄

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札幌を出発し、豪雪地帯で知られる岩見沢を通り過ぎると美唄市に入る。

札幌からは、冬だと車で2時間〜3時間くらい。

ここには北海道出身の彫刻家・安田侃(かん)氏の彫刻が点在する「アルテピアッツァ美唄」という野外彫刻美術館がある。

彫刻家・安田侃氏は1945年に北海道美唄市で生まれ、1970年に渡伊。

ローマ・アカデミア美術学校で学び、ペリクレ・ファッツィーニ氏に師事。

大理石の産地として知られる北イタリアのピエトラサンタにアトリエを構え、大理石とブロンズによる彫刻の創作活動を続けている。

美唄はかつて北海道有数の炭鉱都市として栄えた町だが、炭鉱の閉山後は活気が失われていたそう。

イタリアで創作活動を続ける美唄出身の彫刻家・安田氏が、日本でアトリエを探していた際、1981年に閉校した旧栄小学校に出合う。

朽ちかけた木造校舎には、子どもたちの懐かしい記憶が残っており、校舎の一部に併設された小さな幼稚園に通う子どもの姿が、彼の心をとらえた。

時代に翻弄された歴史を知らず、無邪気に遊ぶ子どもたちを見て、「この子どもたちが、心をひろげられる広場をつくろう」と考え、アルテピアッツァ美唄の構想がスタート。

そんな学校跡地を中心とした広大な敷地にアルテピアッツァ美唄が開館したのは1992年のこと。

「アルテピアッツァ」とはイタリア語で「芸術広場」という意味。

アルテピアッツァ美唄の広大な敷地には大理石やブロンズの作品40点あまりが配置され、それぞれが自然と溶け合いながら独創的な空間を創り出している。

昨年訪れた箱根彫刻の森美術館でも感じたけれど、大自然と彫刻作品は相性が良いのかもしれない。

私が特に気に入ったのが、最後の写真の「天聖」という彫刻作品。

まるで森の中に佇む、巨大な額縁のよう。

この日は雪に映えそうな、紫の着物と羽織でお出かけ。

ここを通ると絵画のような別世界に通じているような、そんな不思議な気持ちになれる作品だった。

旧栄小学校の建物の2階がギャラリー、1階が幼稚園となっており、子どもたちの小さな上履きが並ぶ靴箱の前や教室への入り口前に作品がごく自然に溶け込んでいる。

アルテピアッツァ美唄にあるすべての彫刻作品は自由に手で触れることができ、子どもたちにとってのびのびとアートに触れられる場所となっている。

古い木のあたたかみのある空間と、つるりとしたモノトーンカラーの石の彫刻作品のコントラストが不思議と落ち着く時間だった。

ギャラリーと屋外を散策しながら彫刻作品を鑑賞した後は、併設されたカフェで一休みするのがオススメ。

窓からは森と彫刻作品を眺めることができ、冬は薪ストーブがパチパチと音を立てて萌える暖かい空間の中、珈琲やケーキ、小さなパンも楽しめる。

窓に面したテーブルには、さりげなく小さな彫刻作品が置かれていて可愛らしい。

春、夏、秋、冬・・・季節によって様々な表情を見せてくれるのも、アルテピアッツァ美唄の魅力の一つ。

最も雪深い時期も美しかったけれど、今度は秋と冬の間の時期に来てみたいな、と思いながら美術館を後にしたのだった。

【アルテピアッツァ美唄 DATA】

住所:北海道美唄市落合町栄町

アクセス:美唄駅からバスで15分、JR美唄駅よりタクシーで10分

営業期間 営業:9:00~17:00、カフェアルテは10:00~17:00
休業:火曜日、祝日の翌日(日曜日除く)、12月31日~1月5日

「カフェアルテ」営業時間
10:00~17:00 ※12月~3月の平日は、10:00~16:00 火曜日休業

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