茶道や上方舞など、幼少時から日本の伝統文化に触れることが多かった私。大人になってからは、ファッションの一つとしてモダンな着物や和洋折衷の着物コーディネートを楽しむようになった。
今はプチプラでアンティーク着物が手に入る時代。着付けは基礎を祖母から習ったけれど、分からないことがあったらその都度インターネットやyoutubeで検索できて、便利な時代に生まれて良かったなあと思う。
着物仲間から「着物でお出かけしてみたいけど、どこへ行こう?」そんなお悩みを聞くことも多い。そんな方におすすめしたいスポット、今回は札幌編をご紹介!
札幌伏見稲荷神社
立春も過ぎ、旧暦でも一年が始まりましたね。一年の計は元旦にあり。とはいうけれど、気持ちを新たに一年をスタートするための初詣はちょっと気合いを入れて、着物でお出かけしたい。そんな初詣の行き先に選んだのは、札幌でも屈指のパワースポットといわれる伏見稲荷神社。
札幌伏見稲荷神社は、明治17年に京都伏見稲荷神社のご分霊を祀り、明治40年に現在の場所に稲荷神社として創立の許可を受けた神社。このあたりの「伏見」という地名もこの神社が由来しているそう。
まるでトンネルのように連なる鳥居の赤と、降り積もった雪の白のコントラストが美しい。この日は黒地に赤の幾何学がまるで生き物のように有機的な模様の羽織で暖かく。白い風景に赤と黒が存在する風景は、丹頂鶴が雪景色の中で舞う様子をイメージしたコーディネート。
手水舍の奥に「大切な願いが届く願石」と書かれた祠があり、その奥に大きな石がある。この石は生きている石といわれており、この石に願いをかけると叶うと言われている。ただし、お願い事をする前に「自分の好きなことのうち何か一つを手放すこと」が条件。なるほど、無条件に願いを受け入れてご利益に授かるより重い決断のいることだ。でも好きなことを思い切って断てるくらいの本気の願い事なら、叶えてくれそう。そんな朝の境内は空気がきりっと澄んでいた。
【札幌伏見稲荷神社 DATA】
所在地. 064-0942. 札幌市中央区伏見2丁目2番17号
アクセス:JR北海道バス「慈啓会前」下車 徒歩5分
清華亭
緑の中に静かに佇む、木造の歴史的建造物。
清華亭は、明治初期に開拓使の貴賓接待所として建てられたもの。明治天皇行幸の際に休憩されたという由緒ある建物だ。
清華亭はもともと札幌で初めてつくられた都市型公園「偕楽園」の中につくられた。1886年に公園が廃園になった後は荒廃していたが、保存運動によって1961年に建物が市の有形文化財に指定。
建物は和と洋の要素をあわせもち、和洋折衷の着物を着てお出かけするのにぴったりの場所だ。
漆喰塗りの洋室と和室はつながっていて直接出入りできる。和室は東側と南側に縁側があるので、緑豊かな庭園を眺めながら明治の風景に思いを馳せてみては。
【清華亭 DATA】
所在地:札幌市北区北7条西7丁目
アクセス:JR「札幌」徒歩約10分
北菓楼 札幌本館
複数階をつなぐ柱・ジャイアントオーダーが古典的な外観をしており、北一条通りの人々の目を惹きつける建物。
かつては旧北海道庁立図書館だった建物を安藤忠雄がリノベーションを手がけ、2016年に現在の菓子店として生まれ変わった。
幾何学的なデザインが特徴のセセッション様式の外壁が特徴の、北菓楼 札幌本館。
紫色の「井桁柄」の着物で、印象的に。幾何学同士、柄の系統を合わせて。
1階に菓子売り場、2階はカフェになっているので、着物でお茶するのも良い。
【北菓楼 札幌本館 DATA】
所在地:北海道札幌市中央区北1条西5丁目1−2
アクセス:地下鉄「大通」駅5番出口より徒歩5分
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