札幌軟石を用いた彫刻の庭園

yuuki

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私の今のキャリアからは異色の経歴ですね、とよく言われることの一つが大学、大学院で建築・庭園を学んでいたこと。

建築を学ぼうと思ったきっかけは14、15歳頃に見たヨーロッパの街並みの写真にピンッとインスピレーションを受けたことだった。

地震の少ないヨーロッパ諸国では石や煉瓦造りの歴史的建造物を大切に残すという文化があり、例えばイギリスではうちの家は築何百年だ、ということが一つの自慢になるのだそうだ。

東京から札幌に移り住んで、アジアというよりヨーロッパの街の雰囲気に近いな、と感じることがよくある。

それは寒冷な気候や風土も理由の一つにあるのかもしれないけれど、石造りの建物が多いということも大きいと思う。

札幌市資料館、日本キリスト教団札幌教会、小樽運河倉庫群など、私が札幌近郊で心惹かれる建物の多くは札幌軟石という材料が使われている。

大谷石よりキメが細かく適当な硬度を有していること、柔らかいため切り出しが容易であること、軽く保温性が良いことから開拓時代の主要建造物の資材として広く使われていた。

そんな札幌軟石が発見され、採掘されていた札幌市南区石山地区に、札幌軟石を用いたユニークな彫刻の庭園がある。それは「石山緑地」。

札幌軟石の採掘跡地を公園にしており、道路を挟んで北側には展望テラスや公園が、南側には切り立った岩肌が露出したまま残されており、その景観を背景として造形集団「CINQ」デザインの作品が野外展示されている。

斜めに傾斜した赤いジャングルジムがぽつんと採掘跡に建っていたり、螺旋を描く石の彫刻には実際に人が歩くことができたりと、芸術性と公園としての実用性を兼ね備えた庭園。

地元の人はもちろん、週末には遠方からも訪れる人が多い、知る人ぞ知る人気の場所だ。

石山緑地で私が一番好きなのが、まるでコロッセオのような石の舞台の真ん中に立つ「呼吸する門」という作品。

黒と白の空間には、モダンな着物がよく似合う。秋の終わりと冬の始まりを感じながら、荒涼とした石の採掘跡と空を眺めていたら数羽の烏が夕暮れの空に飛んでいくのが見えた。

【石山緑地 DATA】

住所:北海道札幌市南区石山78

アクセス:地下鉄南北線「真駒内駅」から中央バス空沼線[真101]又は滝野線[真102] に乗車
「石山東3丁目」下車、徒歩4分

駐車場:20台,18台,8台 3ヶ所46台
駐車場利用時間7:00~21:00(夜間 は閉鎖します。) 
11月下旬より4月中旬まで閉鎖します。

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