着物でお散歩したい、小樽の歴史的建造物3選

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先日、着物でお散歩したい、函館の歴史的建造物7選という記事を執筆しました。

北海道の中でも、函館と並んで歴史的建造物が数多く残るのが小樽です。

函館と同様、港町として栄えた小樽ですが、函館とは景観も歴史も異なります。

開拓使によって鉄道が開通し、小樽港からは北海道の内陸地へ石炭を積み出すのに使われていました。

大正末期まで、港湾都市として発展し、水際には石造の倉庫が並び立ち、運河がつくられました。

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小樽の港に近い色内通りは「北のウォール街」と呼ばれた歴史をもち、銀行が建ち並び、そのうちのいくつかは現在も残っています。

またニシン漁が盛んに行われ、富を築いた後に建てられた「にしん御殿」と呼ばれるような歴史的な建造物が現存しています。

タイムトリップできる建物が数多くある小樽は、函館、札幌に並んで着物での散歩が似合う街です。

そんな小樽の歴史的建造物を3棟ご紹介します。

目次

1、旧寿原邸

小樽市指定歴史的建造物に指定されている旧寿原邸は、大正1(1912)年に建築された木造の建物。

小豆将軍といわれた雑穀商・高橋直治氏が自邸として建築し、直治氏の没後 昭和9年に小樽を代表する実業家・寿原外吉が自邸として改築しました。

昭和60年の外吉氏没後、昭和61年に小樽市に寄贈され、現在は小樽市から特定非営利活動法人小樽古民家再生プロジェクトが委託を受けて4月末〜10月上旬の土日祝日のみ一般公開されています。

旧寿原邸へ行く際の駐車場ですが、旧堺小学校校庭が駐車場として指定されています。

そこから、趣のある坂を登りながら徒歩2分ほどで旧寿原邸に到着します。

水天宮の北側の急な傾斜地に建っており、主屋から2つの接客棟が連なっています。

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こちらが旧寿原邸の入り口。グリーンの屋根に、蔦の絡まる塀が趣があります。

玄関入り口上部には、和風の唐破風が。

和風家屋ですが、二階には洋風の応接間もあります。

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写真撮影OKなのが嬉しいです。

着物や浴衣など和装で、小樽で写真を撮影しハッシュタグをつけてSNSに投稿する、というキャンペーンも行われていました。

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庭園にはちょうどピンクの花が咲き乱れ、紅葉も始まる頃だったので美しかったです。

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【旧寿原邸 DATA】

住所:小樽市東雲町8-1

アクセス:小樽駅から徒歩約20分

開館日:4/29〜10/10の土日祝 10:30〜16:00

入館料:無料 (期間中、有料イベントあり)

2、小樽貴賓館・旧青山別邸

小樽市祝津にある旧青山別邸は、ニシン漁で巨万の富を築いた小樽の網元・青山家の別荘として建てられました。

青山家の2代目・政吉が娘夫婦とともに建てた別邸は大正6年に工事がスタート、大正12年に完成しました。

青山家のルーツである山形県酒田から宮大工を呼び、ケヤキ、ヒノキ、スギなど山形から運んだという良質な材料を用いて造り上げられました。

いたるところに施された彫刻や、各部屋にある襖絵は一流の画家・書家・職人がこの別邸のために創作したもの。

大正ロマンな日本家屋は、「日本海を見下ろす北の美術豪邸」として公開されており、2010年には国の有形文化財に登録されました。

庭園にはボタンや芍薬、ツツジなどが植えられ、部屋からは枯山水の中庭が眺められます。

ボタンは青山家3代目・青山政恵がこよなく愛した花で、「牡丹の間」の襖絵にもボタンが描かれています。

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「人の一生をあでやかな牡丹の花で表現した」と作者・渡風が語るように、つぼみから散るまでを4枚の襖絵に表現しています。

こちらは「扇の間」。狩野派の流れを汲む日本画の松本楓湖、今中素友、長野草風、野沢蓼洲、渡風などの絵師たちが描き上げたもの。

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2004年に建てられた、小樽貴賓館の1階大ホール。

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格天井の天井画は138枚あり、北海道にゆかりのある日本画家が花をテーマに描いています。

着物で散策するのにぴったりなお屋敷と庭園です。

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「牡丹・芍薬まつり」が毎年開かれており、牡丹・芍薬庭園には見事な牡丹、芍薬の花が咲き誇ります。

(取材のため許可をとって撮影しています。一般の方の館内の写真撮影は禁止されていますのでご注意下さい。)

【小樽貴賓館・旧青山別邸 DATA】

住所:小樽市祝津3丁目63

アクセス:中央バス「祝津3丁目」徒歩約5分

営業時間:9時〜17時 (季節により変動)

旧青山別邸 入館料:大人1100円 子供550円

3、旧日本郵船小樽支店

1906(明治39)年に竣工した建物で、国指定重要文化財に指定されています。

設計を手掛けたのは、佐立七次郎。

東京の工部大学校第1期卒業生で、日本銀行小樽支店を設計した辰野金吾、三井銀行小樽支店を設計した曽禰達蔵(そね たつぞう)と同期でした。

彼らは、後の東京帝国大学で教鞭をとるイギリス人、ジョサイア・コンドルの弟子。

外観は石造で重厚な雰囲気。1階の柱はギリシャ・ローマ時代の様式で装飾されています。

外壁の軟石、内装の木材は全て北海道産の材料が使われています。

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内部の壁には皮革に似せた金唐革紙が張られ、シャンデリア、絨毯など明治時代の華やかな面影が残ります。

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その多くは、海外からの輸入品でした。

ここでは、ポーツマス条約に基づく日露の樺太国境画定会議が開かれたそうです。

明治の華やかな時代にタイムトリップできる、着物で訪れるのにぴったりな歴史的建造物です。

【旧日本郵船小樽支店 DATA】

住所:小樽市色内3丁目7-8

アクセス:小樽駅からバスで10分(バス停「錦町」下車)

※令和6年6月まで(予定)保存修理工事が行われています。

終わりに

小樽は他にも着物に合う建物やカフェがあるので、ぜひ着物で訪れて非日常気分を味わってほしいです。

気軽に着物さんぽを楽しみたい方におすすめしたい、シックな久留米絣の木綿の着物。

日本製で、洗えるのも嬉しいですね。年齢を選ばず、長く着用できそうです。


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