みなさんは、旅先でどんな場所へ行くのが好きですか?
私はお仕事でもプライベートでも旅をすることが多いのですが、必ずチェックするのが、その土地の「建築」「美術館」「カフェ」です。
旅の前に、情報収集するのはインターネットでももちろん手軽で良いのですが、書籍がおすすめです。
なぜかというと、書籍の方がある程度まとまっているし、プロの著者の執筆と編集のチェックを通って世に出されたものであること、内容も取材して深く掘り下げられたものが多いからです。
もちろん、インターネットも手軽で良いですよね。地域によっては書籍があまりないこともあるので、私もそういう場合はインターネットを活用しています。
この記事では、地域別で建築巡りにおすすめな書籍を紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
【北海道】
『北海道建築さんぽ ー札幌・小樽・函館』/(文・写真)佑季(写真)浜田啓子(エクスナレッジ )
私が執筆・一部写真撮影を手がけた本です。
北海道全域ではなく、メインの都市である札幌・小樽・函館に絞った書籍なのですが、建築専門出版社エクスナレッジ さんから出版されていること、見どころをコンパクトに一般向けにわかりやすくまとめていること、コンパクトなサイズ感で、持ち歩きにも適しているので街歩きにもおすすめです。
ちなみに、カフェの本『空間が美しい札幌のカフェ』はこちら☟
【東北】
『北海道・東北を歩こう!』(出版社:エクスナレッジ )
東北に特化した建築の本は少ないです。こちらの本は少々古いですが東北の建築物が紹介されています。
2002年と古い本なので、取り壊しになった建物があったり、新しい建物は載っていなかったりするため、インターネットで最新の情報を調べつつ補助的に読むには良さそうです。
『日本の最も美しい名建築』(田中 禎彦, 小野 吉彦) (出版社:エクスナレッジ )
こちらは全国を対象にした名建築の本ですが、青森県、岩手県、秋田県、山形県の建築も一件ずつ掲載されています。
東京や関西の件数が多いですが、写真が美しく、見応えがあるので一冊持っていると便利です。
【東京】
東京は建築巡りの本が数多く出版されています。
写真集のようなものも多いのですが、建物の見どころや、建築の基本情報・見どころが分かりやすく載った本を集めました。
『東京レトロ建築さんぽ』/倉方 俊輔 (著) 下村しのぶ (写真)(エクスナレッジ )
戦前の美しい建物50件が美しい写真と丁寧な解説文によって紹介されています。
クラシカルな建物が数多く紹介されているので、パラパラと写真をめくるだけで楽しめます。
建築家についてのコラムも、建築家の意外な一面を知ることができて興味深いです。
『東京モダン建築さんぽ』/倉方 俊輔 (著) 下村しのぶ (写真)(エクスナレッジ )
戦後のモダン建築48件がかっこいい写真とわかりやすい解説文によってまとめられた本。
モダンな建物が数多く建てられた東京らしい建築本です。
戦後の建物とはいえ、近年取り壊しになってしまった建物や、数年後には解体予定のビルなどもあるため、色々な意味で貴重な一冊です。
『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』/甲斐みのり(エクスナレッジ )
2020年に放映されたTVドラマ『名建築で昼食を』の原案になった本。
私はドラマ化される前からもっているのですが、コンパクトなサイズ感で、文筆家・甲斐みのりさんのノスタルジックな文章によって、名建築がより一層味わい深いものに感じられます。
名建築で頂けるランチやスイーツなども美味しそうで、建築さんぽに出かけたくなる一冊です。
【関西】
『神戸・大阪・京都 レトロ建築さんぽ』/倉方 俊輔 (著) 下村しのぶ (写真)(エクスナレッジ )
神戸・大阪・京都の明治、大正、昭和の戦前の建築が集められた本。
神戸12件、大阪15件、京都12件、各章の間に、建築家・河合浩蔵、辰野金吾、武田五一のコラムがおさめられています。
『東京レトロ建築さんぽ』と同様、マットな質感の写真と、丁寧に取材された文章で読み応えがあります。
『京都 レトロモダン建物めぐり』/片岡れいこ (メイツ出版)
明治・大正の文化財から昭和の老舗喫茶まで、「古き良き時代」を遺す建物59件が紹介された本。
レトロな建物に特化したガイドブックといった感じで、「建築」というと難しい!とイメージしてしまう方にもとっつきやすい本だと思います。
『歩いて、食べる 京都のおいしい名建築さんぽ 』/甲斐みのり (著), 鍵岡龍門 (写真) (エクスナレッジ )
先ほどご紹介した『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』の姉妹版が発売されました!
中で美味しい食事やお茶を味わえたり、テイクアウトできる30件以上の名建築が掲載されています。
【九州】
『建築MAP九州/沖縄』(TOTO出版)
建築学生にはおなじみの「建築MAP」シリーズ。
東京や関西編ももちろん出ていて、私も「建築MAP東京」「建築MAP京都」「建築MAP大阪/神戸」「建築MAP横浜/鎌倉」をもっています。
九州・沖縄がセットになった本なのでお得感もあります。
2008年出版と古めですが、九州に特化した建築本は少ないので貴重な書籍です。
『九州遺産ー近現代遺産編101』(弦書房)
建築物だけではなく、鉄道関係建造物、機関車、橋などの遺産も含めた本ですが、教会や灯台など建築物も載っています。
2005年出版と古い本なので、既に取り壊された建築物もあります。
【沖縄】
『沖縄島建築 建物と暮らしの記録と記憶』(監修・写真:岡本尚文 建築監修:普久原朝充)(出版社:トゥーヴァージンズ)
沖縄県内の書店員さんが選ぶ「沖縄書店大賞」にもノミネートされたという本。
沖縄の建築の歴史と変遷が図解・イラストでわかりやすく解説されています。
沖縄の風土から生まれた、「花ブロック」などの独自の装飾についてのコラムも興味深いです。
沖縄らしい、神秘的な雰囲気の建物の写真が美しく、この本片手にまた沖縄へ行きたくなります!
いかがでしたか?
旅先ではグルメや美しい景色、温泉などの観光もいいけれど、その土地にある建物に足を運ぶことで、その土地の歴史や風土などを感じ取ることができます。
これから旅をしたり建築巡りをする方に、この記事が参考になれば幸いです。