青森で美術館巡りをしたい方は、きっと青森県立美術館は候補の一つになっているのではないでしょうか。
青森市内にあり、有名な「あおもり犬」が展示されていたり、話題の企画展も開催されることが多く、名建築としても知られており人気の美術館です。
青森アート旅 前回までの記事はこちらからどうぞ☟
青森アート旅 Vol.1 〜建築家・田根剛が設計を手がけた、弘前れんが倉庫美術館
青森アート旅 Vol.2 〜アート好きなら一度は行くべき!十和田市現代美術館
青森県立美術館へのアクセス
青森県立美術館の最寄駅はJR奥羽本線「新青森駅」です。
そこからタクシーだと約10分、1200円くらいです。
青森市営バスだと、青森駅前から出発し「県立美術館前」で下車すれば行けます。
しかし、本数がかなり少ないのでご注意下さい。
私は朝、車で弘前を出発し、昼頃に十和田市現代美術館に到着、その後山道を運転して青森市まで行き、青森県立美術館に着いたのは15時くらいだったと思います。
青森県立美術館の駐車場はかなり広く、快適に駐車できました。旅行の時間を効率的に使いたいなら、レンタカーがおすすめです。
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青森県立美術館の建築・デザイン
青森県立美術館は2006年7月に開館。設計を手がけたのは、美術館の設計コンペで最優秀賞を獲得した青木淳氏です。
巨大なホワイトキューブの外観が特徴のモダンな建物ですが、地下2階・地上2階からなり、展示室のほとんどが地下階にあるというユニークなつくり。
この美術館は「三内丸山縄文遺跡」に隣接しているのですが、遺跡の遺構を発掘調査するために掘られる「濠」=「トレンチ」からインスピレーションを得て、美術館の敷地全体にも凹状のトレンチが掘られています。
地下2階まで掘られたトレンチの上には凸状のホワイトキューブが被せられ、そこでできた隙間が展示室や収蔵スペースとなっているのです。
美術館の建築構造自体が、その土地に根ざしたものであること、そのオリジナリティに驚かされます。
美術館の入り口横の壁にあるツリーのようなマーク、これは美術館のシンボルマークで、「木」と「a」がモチーフとなっています。
木が集まって森になるイメージを込めて、このマークが多数集まって群れとなっているのもユニークです。
このロゴのほか、エレベーターなどの誘導サインや、展示室名などの表記はポップな雰囲気のオリジナルフォントが用いられており、全てアートディレクター・グラフィックデザイナーの菊地敦己氏によるデザインです。
青森県立美術館の見どころ
青森県立美術館は、建築自体が素晴らしく、展示室から展示室へ移るまでの導線や階段、窓など一つ一つが丁寧に設計されていて美しいのですが、
特に印象的なのが、美術館の中心にあるアレコホールです。
縦・横21メートル、高さ19メートル、四層吹き抜けの大空間なのですが、ロシア出身のフランスの画家、マルク・シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画が展示されています。
「色彩の魔術師」と呼ばれるシャガールの世界観が発揮された、舞台美術作品です。
これらの背景画は、ユダヤ人の家庭に生まれたシャガールが、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れるために亡命していたアメリカで「バレエ・シアター」(現・アメリカン・バレエ・シアター)からの依頼で制作したものです。
私はもともとシャガールの制作する舞台美術のファンで画集も持っているので、青森県立美術館の大ホールでこの作品を見られたことが感無量でした。
青森県立美術館の屋外展示の一つ、奈良美智氏による巨大な作品「あおもり犬」も人気です。
高さ8.5メートル、奥行き9メートルもの巨大な犬のオブジェで、近くに行くと思わず見上げるほど大きいです。
手前にある丸い花壇は、まるで犬のご飯を入れるお皿のようにも見えます。
あおもり犬は、美術館の中から窓越しにも見られますが、屋外に出て鑑賞も可能です。
あおもり犬を見に行くルートは少々複雑なので、館内にある案内を見て行くのが良いでしょう。
青森県立美術館で開催中だった企画展「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」
TV「新日曜美術館」で特集されていて、気になっていた「ミナ・ペルホネン つづく」展。
偶然、青森県立美術館で鑑賞できたのでラッキーでした。
ミナ ペルホネンは、デザイナーの皆川明氏が設立したブランド。「ミナ」とはフィンランド語で「私」、「ペルホネン」は「蝶」を意味します。
エントランスには、ミナ・ペルホネンのテキスタイルが天井まで展示されており、圧巻です。
生地からデザインして、洋服に仕立てているため、このように膨大な量のテキスタイルがあるのですね。
Made in Japanですが、北欧風で優しいデザインのものが多いです。
展示室には、それぞれ「実」「森」「種」「風」「根」「芽」「土」とテーマがあります。
「実」の展示室には、ミナ ペルホネンを代表する刺繍柄の「タンバリン」が。
ジャンルは違っても、ものづくりをしている私から見て、「芽」の展示室にあったデザイン画や原画、図案は興味を惹かれるものばかりでした。
「森」の展示室には文字通り、洋服の森が。
ファストファッションの流れとは逆を行き、長く愛される服作りを行っているミナ ペルホネン。
日本の着物は、衣服の形は同じで柄や素材に変化をつけますが、ミナ ペルホネンも同じような考え方をしており、
服自体はベーシックな形で、生地を変えることで変化を出す、というお話が興味深かったです。
青森県立美術館のカフェ「4匹の猫」
美術館でアートに触れるのは面白いけれど、歩き疲れることもありますよね。
そんな時は美術館併設のカフェ「4匹の猫」で一休みするのがおすすめです。
大きな窓から美術館の外の緑を眺めながらお茶やランチが楽しめます。
温かい飲み物は、有機栽培コーヒー、有機栽培コーヒーのカフェオレ、有機栽培の豆乳オレ、と有機栽培にこだわりが。
冷たい飲み物には、レインフォレストアイスコーヒーやレインフォレスト豆乳オレ、青森らしいアップルソーダや果汁100%りんごジュース、ワインなどのアルコールもあります。
ランチメニューには、パスタ(スープ付き)、カレー(サラダ付き)、ピラフ(スープ・サラダ付き)があり、ベーグル(スープ付き)、単品メニューではホットドッグがありました。
私は、おすすめメニューと書かれていた、青森県産りんごのアップルパイ ドリンクセット(ホットティー)を注文しました。
青森のカフェではどこもりんごのメニューに力を入れており、青森旅行中はアップルパイの食べ比べみたいになっていましたが、こちらのカフェのアップルパイもさくさくパイ生地にりんごのワイン煮が大人っぽくて美味しかったです。
いかがでしたか?
建築好き・アート好きの方でもそうでなくても、青森県立美術館はぜひ訪れてほしい美術館です。
ぜひ、一度足を運んで、美しい建築とアートを体感してみて下さい。
【青森県立美術館 DATA】
住所:青森県青森市安田近野185
開館時間:9:30 – 17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎月第2、第4月曜日 (この日が祝日の場合は、その翌日)
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